無肥料・無農薬に向いた種の話

自然農法や有機栽培をするときに、大事な種のお話しをします。
無肥料・無農薬で野菜を育てるときに、選ぶべき種というのがあって、
それは、「固定種」とか「在来種」とか呼ばれるものです。
ホウレンソウの種って、見たことある?
わたしが初めて自然農法で育てた野菜はホウレンソウだったんですが、今思い起こしてみると農園のアドバイザーさんからもらった種は、鋭いとげのある三角の種でした。
楽天市場で「ホウレンソウ 種」で検索するといろいろなホウレンソウの品種が出てくるんですが、わたしが収穫した、根の赤い、葉の密集したホウレンソウはないんですね。ほぼみんな、「交配種」となっています。
Google検索で「ホウレンソウ 固定種」で探して、ようやく見つけたのは「あかねホウレンソウ」という山形県の品種でした。

わかりづらいと思いますが、種が三角で鋭いとげがあります。
そして、関連記事:無肥料・無農薬で野菜が育つのかの写真のように、赤い鮮やかな太い根をしていますね。
赤根法蓮草
・本種は山形市風間の柴田氏親子二代に渡り受け継がれた日本ほうれん草で、特に根、根元の赤身が強く甘みのあることから赤根法蓮草と呼ばれています。
・主に秋蒔きのほうれん草で耐寒性、耐雪性が強く、とう立ち後も柔らかく食べられます。
・べと病(カビによる病気)に対しては弱く、登録農薬の適期散布を行ってください。
とあります。
まだ芽を出したばかりの時クリスマスでしたが、立派に育ってくれたのは山形生まれだったからなんですね~、よかった。
交配種とはどんな種か
楽天市場で探してたくさん出てきた「交配種」というのは一言でいうと業務用の種です。
交配種「〇〇〇 3万粒 5709円」
固定種、在来種になると「約300粒 345円」
くらいの感じです。
家庭菜園では300粒でも結構多いので撒ききれないかもしれませんが、1か所に何粒か撒いて芽が出てきたら一番元気なのを残してあとは間引いて育てるようにします。まあ、それでも余ると思うので、残りはしっかりと密閉して冷蔵庫の野菜庫に保管しておけば、3年くらいはもちます。
ところで「交配種」ですが、メンデルの法則というのを知っていますか。
「メンデルの優劣の法則」により、異なる形質を持つ親をかけ合わせると、その第一代の子(F1=雑種第一代)は、両親の形質のうち、優性だけが現れ、劣性は陰に隠れます。あらゆる形質でこの優性遺伝子だけが発現するため、交配種野菜は、一見まったく同じ形にそろいます。
この、「まったく同じ形質で、まったく同じ形」というのが業務用の野菜にとって、一番大事なことなんですね。
秋だけでなく春や夏もまけて、わずか一ヶ月で出荷できる大きさになり、丸い葉は厚く、背が高くて収穫しやすいなど、人間の都合に合わせた「形質」を作り出すことで農業の効率化に貢献しました。
このような「交配種」のホウレンソウのおかげで、私たちは一年中ホウレンソウを食べられるようになったのです。
農薬や化学肥料を使うことを前提に、成育期間が短くなった結果、急激に肥大したぶん大味になって、体内には余分な硝酸性窒素が溜り、まずくなったのも事実です。おまけに、光合成の期間が短くなったので、葉に含まれるビタミンCなどの栄養価も、固定種の五分の一から十分の一に減ってしまいました。
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固定種・在来種とはどんな種か
山形県の在来種である「あかねホウレンソウ」は、トゲのある三角形の種をまいてからおよそ三ヶ月かかってゆっくり育ち、お正月頃に食べる冬野菜です。根が赤くて甘く、生食できるほどアクがなくておいしいのですが、葉は薄く切れ葉でボリュームがなく、寒くなると地面に張り付くように広がって、収穫に手間がかかります。
わたしたちが自然農法で育てるとすれば、農薬や化学肥料のない昔から、種をとって遺伝子を守り続けてきた「在来種」がふさわしいのは言うまでもありません。
種の中には、その前の代、そのまた前の代に親の種が育った環境の記憶が残っているんです。
その土地が乾燥していたか、寒くて雪に埋もれたか、どんな病気に見舞われたか…その耐性を遺伝子に刻んでいると思うと、種がいとおしくも思えてきますね。
味や栄養の面でも「交配種」と比べ、格段優れています。
関連記事:自然農でとれた野菜っておいしいの?
「固定種」も、ほぼ同じ意味合いで使われています。
タネとり「育種」の大切さ
在来種である赤根法蓮草の根っこの写真をもう一度ごらんください。

自然栽培のホウレンソウの根は、横にも太く伸びる
こういうのを「根張りがいい」といいます。
自然農の野菜の根は自分の力で地中にある成長に必要な養分をしっかり吸い上げようと、どこまでも伸びていますね。
市販のホウレンソウの根はせいぜいこんなものです。

土壌生物が農薬で死滅しても、化学肥料がたっぷり入った土地でタネとりを何代も繰り返した種・「交配種」は、その環境に適応してしまうんです。
こういう種を自然農法で使ってしまうとタネはストレスに耐えられず、障害がでたり、生育が悪くなってしまうようです。
固定種や在来種を自然農法でよりよく育てるために、
・肥料は使わずに地力だけで十分育つことができる。
・生育中におきる病害虫や、根を大きく張るなどして乾燥からも、自力で守ることができる。
・食べると味がよく、栄養価も高い。
・たくさん種を採って次年に使うことができる。
こういった目的をもって、自然農法の中で何代も、何年もかけて、その土地土地に適応した種を育てていくことも重要です。
まとめ
自然農法だけでなく、有機栽培でも同じことが言えます。
有機栽培の農家さんも、もちろん「育種」をやっています。
化学肥料のように、強制的に作物を大きくするのではなくて、
油粕(あぶらかす:菜種などから油を搾ったのこり)や魚粉、鶏糞など、植物性または動物性の有機物を原料にした肥料だけを使って野菜を育てます。
納豆菌やトウガラシなど天然由来の成分を使って病害虫を防ぐなど、いろいろな工夫を凝らして野菜を作っています。
手間や時間をかけてでも、環境を守り、安全でおいしい農産物をつくりたいと考える農家さんはたくさんいます。
わたしたち消費者としても応援したいですね。
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