堆肥って聞いたことあるけど、肥料とどうちがうの?

2023年4月19日

美登里
美登里
美登里です、こんにちは。
わたしが自然農法でホウレンソウを育てたとき、

「耕さない土に堆肥を少し漉き込んだだけで、種をまいて3カ月後に、立派なホウレンソウに育ちました。」と書いてました。

「堆肥」って、肥料とどう違うの?

はい、
ホームセンターでは、堆肥と肥料は、だいたい同じ場所で売られていますよね。
今回は無肥料・無農薬を謳う自然農法でも、「堆肥」を使う意味についてお話します。

土つくりには2つの視点が

種をまく畑の土は、土ならどんな状態でもいいかというと、お察しの通りそうではありません。

想像しやすいと思いますので例に挙げると、学校の運動場を思い浮かべてみてください。
コンクリートではなくて、風が吹くと土埃があがるようなところです。
雑草とかは校庭の真ん中あたりには殆ど生えていないと思います。子どもたちに踏み固められた固い土は、草も芽を出せないので表面は直接日光にさらされていつも乾いています。

それに比べて、野山に分け入った時の辺りの土はどうでしょうか。
表面は枯葉が積もって、歩くとふかふかしているんではないでしょうか。このふかふかは空気が入っているからで、土の中でいろいろな生物が暮らせることを意味しています。
また、この空洞に水分を長期間にわたって保持することもできるので、乾燥しません。上には大きな木もたくさん生えていますから、直射日光からも守られています。

植物の種が落ちて育ちやすい土はどちらかというと、野山の土の状態が理想的といえます。
ちなみに、このふかふかの状態を「団粒構造」といいます。
これが、「土の状態」という一つめの視点です。

もう一つは、「土の中の栄養」です。

土がふかふかになる理由がいくつかあるんですが、
一つは木や草がたくさん生えて根を広げることによって、土が掘り返され、時間とともに朽ちることで自然と空洞ができる(耕される)ことによります。

あるいは、土の中の菌やバクテリアが生きてガスを出すことでもふかふかになりますし、ミミズなどの小動物が動き回ることでも土が柔らかくなります。

土のなかのこういった生物が、死んだ大きな動物や、枯れた木、枯葉などを食べて消化し分解すると、いよいよ植物が成長のために利用できる栄養分に変わります。

この、自然全体のサイクルを「生態系」と呼んでいます。

植物を取り囲む生態系
生物学的窒素固定・出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

生態系が機能している限り、畑に栄養を入れる必要は、基本的にはありません。
土の状態がいいか、土の中に理想的なバランスで栄養が含まれているかという2つの視点から、土つくりを考える必要があります。

 

堆肥は土の状態をよくするもの

農薬も肥料も使わないで野菜ができるって、すごいなと思ってシンプルに始めた自然農でした。

わたしの家の近所に貸農園を見つけて、しかも有機農法を推奨していたというのがラッキーでした

前の月まで借りていた人も、まわりの畑の人も「化学肥料や化学農薬を使わない」というルールのもとで野菜を栽培しています。
私たちがルールを守るかわりに、固定種の種を手配してくれたり、畑にすき込む堆肥を準備してくれたりします。
先週ホウレンソウを収穫した時には、「ぼかし」という有機肥料を、自分で簡単につくるやり方を教えてもらいました。

まず、堆肥というのは土の状態を整えるものです。

誰が使っていたかわからない、もっと大きな土地を新しく借りた場合や、そもそも畑でさえなかったような場所で有機野菜つくりを始めたとしましょう。
土には化学肥料が使われていたかもしれません。
そういう時は、クローバーなどのマメ科の植物を畑いっぱいに植えて、残留物をすべて使い切らせたりします。

農薬が使われていれば、土の中に有用な微生物や小動物はまったくいないかもしれません。
そんなときには
落ち葉や雑草・わら・生ごみなどの有機物を、微生物に人工的な環境で分解・熟成(発酵)させてつくった土、野山の土に近い「生きた土を投入してやるのです、それが堆肥です。

堆肥には微生物がたくさん棲みついています。
そういった畑に堆肥をすき込むと土はたちまち命を吹き返し、野菜作りに適した土に生まれ変わるのです。

 

肥料は土に栄養を補充するもの

一方で、肥料は野菜が育つために必要な栄養を補充するときに使います。

野菜の育ちが悪ければ、まず栄養の不足が疑われるでしょう。
土の状態が悪いのが原因で、土から栄養が水に溶けて流れ出してしまったのかもしれません。

有機肥料でよく使われるのが、米ぬか、油かす、牛糞、鶏糞などです。
これには野菜が育つのに必要な窒素、リン酸、カリウムなど、天然由来のものが含まれています。
ただ含まれていればいいのではなく、それらミネラルの種類の多さ、バランスがとても大切です。

育てる野菜によって、米ぬか、油かす、牛糞、鶏糞などをブレンドして発酵させる方法もあり、それを「ぼかし肥料」と呼んでいます。このバランスがうまくいくと野菜やくだものが、甘く、おいしくなります。

先週教えてもらったのは、米ぬかと油かすを3:2の割合でブレンドして、そこに畑の土を一握り加えて作った「ぼかし肥料」です。さらさらの米ぬかと、乾いた油かすは、均等になるようによく混ぜ合わせます。

油かすといっても、菜種などから油を搾った残りですから、サラサラしていて、どちらも無臭です。

発酵のもととなる菌は、自分たちの畑の中のを使います。
水を加えて、カビなどの好気性の菌が入らないようにしっかり空気を抜いて。

あとは1~2週間放置、すると…。

 

ぼかし肥料、いい匂い!

これは、最初の米ぬかです(さらさら)。

米ぬか
米ぬかは、自然農法でも使われる、微生物や菌類のエサ

これに油かすを入れてよく混ぜたら、ひとにぎりの畑の土を投入。

あとは水を加えて1週間放置したのがこれです。

ぼかし肥料いい匂い

うわ、いい匂い!
上品な、白みそ(米みそ?)みたいな匂いがほんのりとします。
そうですよね、米ぬかが材料だもの。

これを、有機肥料として野菜に追肥してあげると、よく育ち、とってもおいしくなるそうです。
もうすでにおいしそうな匂いです。
関連記事:有機野菜を気軽に買いたい

 

堆肥、自然農法でも使います

自然農法は、有機肥料も堆肥も使わないんじゃないの、という方がいらっしゃるかもしれません。

自然農法は別名「不耕起栽培」とも言われていますが、まったく耕さないということではありません。
最初の土の状態を見て、これなら不耕起でも大丈夫だなと見極めることも大切です。

最初の1回だけ畝を立てて、そこの生態系がつくってくれた肥えた土壌を壊さないために、耕さないわけです。

ですから見極めによっては畝作りの時に、堆肥を表面だけに軽くすき込んだりします。
そのあとは、畝が崩れてきたら形を整えるぐらいで使い続けます。
種や苗がストレスをあまり感じすぎないように見守りながら、スポット的にぼかし肥料などを施したりもします。

そうして何年かすると、生態系が整い、本当に無肥料でも栽培が可能になっていくという流れです。

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